“僕は子どもの頃、ずっと疑問でした。

なぜ大人は、あんなに長い間生きてきて、いろんなことがわかっているはずなのに、浮気したり、怠けたり、つまらないことでケンカしたりするのだろう?って。

なんで、我慢できないのだろう、大人のくせに、って。

でも、自分が大人になってみて、わかった。

子どもが我慢したり、地道な努力を続けられるのは、「これが将来の自分にとって、きっと良い結果をもたらすはずだ」という「希望」があるからなんだな、と。

大人になると、わかってしまう。

あるいは、わかったような気がしてしまう。

もう、この先に、楽しいことなんて、ないんじゃないか?

我慢しても、いいことなんて、ありはしないんじゃないか?”

あの頃の俺はチャリンコさえあれば
どこまでも行けると思ってた。
朝早く家を出れば昼には海に着いてた。

少し成長した俺は電車やバスで行くようになった。
金さえあれば海の向こう、どこまでも行けると思っていた。

そして俺は気付いた。
必要なのは自転車や電車じゃなかったって。
行こうとする気力だったって。
無くしてから気付いた。